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もうひとつの京都 第8回目 『白沙村荘』

一歩進むたびに変わる景色の素晴らしさは、視覚を重視してきた ”橋本関雪”ならでは。
堅苦しくなく、ちょっと贅沢、そして、なぜかほっとする、そんな空間。

掲載日 2006.9.1

「 白沙村荘 」は、京都画壇で活躍していた日本画家の橋本関雪さんが自らのアトリエとして、造営したもの。約2200坪の庭園と一部の建造物を、画伯の作品やコレクションとともに「橋本関雪記念館」として一般に公開しています。

関雪さんは造形的なバランス感覚が非常に優れ、視覚に重点を置くこと、2次元、3次元の構成力も高かった。
「白沙村荘」の建物についても細かい意匠まで自らが行っていました。

庭園を大きく造ったのは、スケールの大小というよりも様々なことを考えあげ、どんな立場の方が来られても対応できるようにと考えていたそうです。
エントランスの長さ、そこから急に開けていく視界。そして大きく作られた池を眺めながらの茶室を始めとした建物の存在感を感じられずにはいられません。

「庭が歌いだす時期」4月最終週が好きだ。とおっしゃる副館長の橋本眞次さん。池は水面もいいが淵もいい。昔は疎水からウナギが入ってきたりしたとか。
大雪の時には庭中が真っ白になり、池の水面だけが冷やされて真黒な鏡になり、そこに降ってくる雪が映り大変美しいそうです。
桂月の池には月が映り、茶室から綺麗に見えるようになっているそう。これからの季節は、秋に咲く花や虫の声を楽しみながら秋の到来を感じてもらいたい








そして、眞次さんが一番好きな眺めだと言われるお座敷からの池と庭の眺め。ここはお食事をする方が上がることができるそう。
ちょっとしたプライベートな催しなどにも、相談にのってくれるそうです。予算や料理内容、17時以降の予約など。お庭を眺めながら、美味しい料理を味わうひとときの贅沢な時間を楽しむことも。
現在、関雪さんの作品の図録、庭園に置かれている石仏・灯籠の図録を制作しながら、増えてきている収蔵品の新展示室の建設も計画中とか。
現存するものを守りながら新たな試みも常に続けている。四季折々の自然の息づかいとともに、人の心意気までもが伝わってくる。そんな素敵な空間です。

白沙村荘副館長
橋本眞次 氏 (はしもとしんじ) 紹介





国指定名勝 白沙村荘 
http://www.kansetsu.or.jp
開館時間:10:00 AM 〜 17:00 PM
〒606-8406
京都市左京区浄土寺石橋町37
(市バス 銀閣寺前すぐ)
TEL.075-751-0446 FAX.075-751-0448

高校卒業後、コンピュータに興味を持っていたが、当時の大学にはその設備が整っておらず、家業に近い画家や美術家をとも考えたが、事情が色々重なり京都立命館大学で哲学を学ぶ。当時の生活は、朝、庭を掃いてから大学に行き、授業が終わったら店に入るという日々を続けていたので、その頃はまるでお寺の修行をしている気分だったそうです。
そんなご苦労を感じさせない凛とした優しい方にお見受けしました。
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