前回の金子さんからご紹介頂いたのは、馬 tazunaの林行彦さんと古田千裕さん親子。
牛革は知っていても、余り馴染みのない馬の革製品…
さて、どんな違いがあるのかと興味深く伺ってみました。
Q: 最初に、ご紹介下さった金子さんとは?
(行彦さん)
「『知り合いが商談会のパンフレットを送ってきてくれた
が、まだ売るものが出来てないので参加できんよ。』と
話していたら、『そのパンフレットを下さい。』と
言われ、金子さんに送ったんですよ。
それがきっかけになり、よく話すようになりましたね。」
Q: 確かに、金子さんの営業意欲は凄いですからね(笑)
それでは、馬 tazunaの屋号の由来はどこから?
(千裕さん)
「私の主人が、馬の鞍周りや、鞭、
馬が走る時に顔に被る覆面、メンコって言いますが、
それらの物を扱う会社で職人をしておりますので、
屋号は主人の仕事からつけました。」
Q: えっ、そうなのですか。
(千裕さん)
「はい、馬具は手縫いのものが多く、私も手づくりが
好きだったので、馬の革製品を作ってみようと
始めてみたのです。」
Q: じゃ、手縫いはご主人から?
(千裕さん)
「そうです。主人が私の先生なんです。」
Q: そうですか。
私はまた、お父様が先生かと思い込んでいて。
(行彦さん)
「私は、西陣関係の仕事をしていたんですよ。」
Q: あっ、それで帆布を革と合体させた
バッグがあるのですね。
(千裕さん)
「デザインは私で、帆布との色の組合せは
父にお願いしています。」
Q: なるほど。
作られ始めてどのくらいになるのですか?
(千裕さん)
「今、4年目になります。」
Q: ご主人はどう言っておられます?
(千裕さん)
「馬具の作りよりは鞄の作りのほうが
細かい作業らしくて、最近では
『良くそこまで細かく縫えるな』と褒めてくれます。
でも、革の作りのわからないところは、
やはり主人のアドバイスが必要になります。」
Q: 今、馬 tazunaさんでの一押し商品は何ですか?
(千裕さん)
「他であまり作られない、
ショルダーの革バッグですね。」
(行彦さん)
「どうしてもこの厚みのあるショルダーは、
作りにくのですよ。
わたしらも、特殊なミシンを導入し、
家内と二人でやっています。」
Q: 両手が使えるショルダーバックは確かに
便利ですよね。それから、牛革でなく
馬の革にこだわる理由はなんですか?
(千裕さん)
「どちらも繊維組織は似ていて、用途により優劣は
あると思いますが、馬革(ばかく)は牛革より
手だけでも充分に艶はでますし、味わい深さも
でてきます。
強靭さも、普通は牛革が強いと思われていますが、
同じ厚み、同じなめしならば馬革の方があります。
高級なコートはしなやかさもあり、馬の皮の方が
多いのです。お尻なんかは「革のダイヤモンド」
と呼ばれ最高級なんです。(笑)」
Q: そうなのですか。
では、手づくり市に出展されて4年、この間で思われたことがあればお話しください。
(行彦さん)
「最初は何処で販売しようかと、フリーマーケットなどへ行ってみましたが、
私たちの思いとは違っていました。
それで今度は百万遍さんの手づくり市を見てみました。
そしたら、そこには並んでいる商品は全てが手づくりで、若い人達が生き生きして活気に溢れていました。
お客さんも品物を見る目が違いました。
だから、ここで売れるようになったら自信が持てると感じましたね。」
(千裕さん)
「そんな場で販売して、リピートしてくれるお客さんがいる。これが、ホントに嬉しいです。
一度使ってもらって良いと思われたから、また来て下さると思えますからね。
それに、 お客さんとのやり取りの中で、私たちも勉強できています。
お陰様で、こないだ百貨店さんから,限定販売ですが、依頼が来るようにもなりました。
最初から最後まで自分の手で…
手づくりが好きだから、まだまだ大量生産は出来ませんけど。」
Q: そうですか、最後にそんな馬 tazunaさんのこれからの夢はなんですか?
(千裕さん)
「夢はですね、
40から50代のイタリア製スーツを着た男性が、私のつくったビジネスバッグを持ってくださる。
そういうことが夢で、本当に良いものを知っている大人の方から見極、選ばれるバックを
つくれるようになることですね。」
ご主人からの直伝を、独学で拡げ、ご両親と一緒につくりだす。
手づくりならではの原点を感じました。
これからも、元気に走る「馬 tazuna」のブランドをいたるとこで、
たくさん見せてください。