「DOUSEN JEANS」の工房を訪ねると、
村田康二さん、奥様の容子さん、それに
康二さんのお父さん村田道宣さんが
やさしく迎えてくれました。
この工房は康二さんで3代目。
京友禅を作るのは本来分業制の仕事になるそうですが、
手描き友禅作家さんの工房は
全工程を自分の工房でおこない、
1点ものの作品づくりをされているそうです。
Q: DOUSEN JEANS の屋号の由来を教えてください。
「京友禅の作家名であり、父の名前の『道宣』を屋号にしました。」
Q: 京友禅をもとに作品づくりをされていると知ったのですが、
友禅染めにかかわるようになった経緯をきかせていただけますか。
「もとから物作りが好きで工業系方面で機械いじりをしていましたが、父も母も染めの創作活動を
していた環境にいたせいか、20歳の時から美術系の友禅染めの活動を始めました。」
Q: 手づくり市での商品は草木染のストールなどのイメージがあるのですが。
「色を染めれば売れる時代も昔はありましたが今はそうではありません。
手づくり市にここにある作品を出したとしても、友禅染めの説明に時間を要し、また
納得して買っていただくことも大変だと思いました。
染めをもっといろんな人にわかってもらいたいと思っているので、
最初は身近に感じられる草木染を選んだり、手描きのジーンズやTシャツをつくりました。」
Q: ジーンズやTシャツにリキテックスなどの画材で
直接絵を描く商品が流行ったりしましたが、
手描き友禅との違いはなんですか?
「お客さんから見たら同じものに見えるかもしれませんね。
しかし、これらは手間を惜しまず手描き友禅と
全く同じ工程を踏んでいます。
ですから糸の一本一本にまで染めが染み込んでいて、
これがこだわりの部分なのです。」
(奥さま)
「私は肌が強くはないので、素肌に直接触れるTシャツや
スカーフの素材選びにはとても気を使っています。
肌にやさしい友禅染なのです。」
Q: 市に出展されてどのくらいになりますか?
(奥さま)
「4、5年になります。」
Q: ご夫婦での役割分担はありますか?
(奥さま)
「私が販売、主人は話が得意ではないので作ることに
専念しています。でも、お客様によっては
主人が良いとおっしゃる方もいますね(笑)」
Q: 創作するなかでご主人から相談されることはありますか?
(奥さま)
「色やデザインなどは二人で話し考えることがあります。」
Q: 手づくり市へ出展されるきっかけは?
(奥さま)
「主人が探してきて、出展してみないかと話してくれました。
それまでお客様と話せる場所がなかったので是非と。」
Q: 出てみてどうでした?
(奥さま)
「色々なお客様と話せたり、出展者のみなさんと知り合えたり、
意見交換が出来たり、本当に1日が楽しく得ることが多いです。
地方で知り合ったお客さんが訪ねて来てくれることもありました。」
Q: 夢をお聞かせください。
「近い夢は名前が売れて広まること。
先々の夢は、それによって
友禅染の仕事が主体となることですね。」
取材終りに村田さんの
勧めもありクルミの液で
簡単な染めを体験させて
いただきました。
いろいろな草木染の作品は見てきましたが、
肌にやさしい作品を意識して
作っておられることが手に取ってみて
特に感じることができました。
これは京友禅染めのなかで培われてきた業を
草木染に活かした賜物だと思います。
言葉や見た目では語りきれるものではありません、
DOUSEN JEANSの作品は 見るだけでなく、是非とも触ってみてください。
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