今回は京都西陣にやってきました。
機織りの音が聞こえてきそうなこの場所に、
フェルト素材で作品を手掛ける
“ ZÜS ” の工房があります。
ここで加藤ますみさんと
娘さんの加藤ゆいさん、スタッフの橋本さん
の三人で作品作りをされています。
Q: 屋号についてお話をきかせてください。
「私は、
小さいときからものを作ることがとても好きでした。
学校の図工の時間はとても楽しみだったのです。
その図という古い書体は、
点と線と面が集まって一つの形を作っていて
とても好きな漢字なのです。
図には工夫や計画といった意味もあるのですよ。
いつもつくりたいものを心に描いていたい、
おもしろいことを図っていたい、
その思いを実現する場になるようにと名付けました。」
Q: それで『ズス』と読むのですね。
このUの上についている点は何か意味があるのですか?
「それは特別にありませんが、
このデザインが好きなことと、
点がないと英語読みで『ザス』と読まれて、
大切な『ズ(図)』が無くなってしまうので
つけました。(笑)」
Q: フェルトで作品を作るようになった
きっかけを教えてください。
「娘が生まれた時に
手づくりの人形を作りたいと思ったことが
きっかけでした。
その時に羊毛を使った
ウォルドルフ人形を知りました。
お人形は相手を思いながら
ひと針ひと針丁寧に縫うこと、
長く付き合えるように汚れたら洗濯もできる
天然素材で(羊の毛など)作るなどの特徴がありました。
この人形の洋服やカバンを作る素材として
耐久力のあるフェルトを選んだことがきっかけですね。」
Q: フェルトにひかれたのは何故ですか?
「つくる素材に好き嫌いはないですが、
せっかく買って使ってもらうものですから、
長く使っても形がくずれないよう
耐久性を心がけていて
それで選んだ素材がフェルトでした。
先日も市で、ずいぶん前に私が作ったかばんを
持っていたお客様がみえて
”愛着があるから”と言われると
とても嬉しくなりますね。
それに、質感の心地よさ、
平面や立体が自由なので
ちょっとおかしなものもつくれますし。」
Q: 加藤さんの作品には
動物がたくさん出てきますが、
動物を題材にしているのはなぜですか?
「自然の動物のラインが素敵だと思えること、
市に出展するとお客様の足を止める力が
あることですね。反響が良いんです。」
Q: どんな年齢層の方が多いですか?
「やはり年配の方が多いですが、
最近は若い男の方もきてくれるようになりました。」
Q: 多忙な1日のなか、作品作りの時間などは
どのように作られているのですか?
「睡眠時間を削ることですかね。(笑)
京都から三重に移住した後、
三重で作り貯めたものを母の様子をみに戻りがてら
15日に手づくり市に出て販売して帰る。
この生活を10年間していました。今は私が京都に戻り
母のそばにいて三重に帰る形になりましたが、その中
でも作る時間は気持ちがあるとなんとかなりますね。
工房を始めて5年、今はこうして若い二人に囲まれながら作品を作る時間が持てています。」
Q: ゆいさんは何故お母さんと一緒に
始められたのですか?
(ゆいさん)
「母のものづくりをずっと見ていたので、
自然の成り行きですかね。(笑)」
Q: 意見の食い違うことはないのですか?
「ありますよ。
でも若い二人の感性を信じて譲っています。(笑)」
Q: 気分転換のための趣味とかはありますか?
「合気道をしています。(笑)
2分くらいの所に道場があって、
作っていない時は主人と二人で通っています。」
Q: そうですか。最後に夢は何ですか?
「夢は
作りたい気持ちを持ち続け
作り続けられることですね。」
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