京田辺が地元であり、「コノムラ竹かご店」の代表、
コノムラキョウさんの工房に今回はおじゃましました。
手づくり市に出展し始めて5年目、竹細工を始めて9年目になるそうです。
市では清楚でもの静かな女性とのイメージだとお聞きしていましたが、お話を始めると
意外な素顔に出会い、笑いと驚きの連続でした。
Q: 屋号にもなっているコノムラさんは
本名なのですか?
「いえ、
活動名としてカタカナでつけた名前なのですよ。
本名に少しひねりを入れてつけてみました。(笑)
後は竹カゴ屋さんとわかるようにして
屋号にしています。」
Q: コノムラさんは面白い発想をする人なの
ですね、竹細工に興味をもたれたきっかけは?
「たまたまテレビで大分の竹工芸訓練支援センター
からの放送を見ていたときに、年配の方も
作業をしておられるの見て、あれっ!これなら
私も出来るかなと興味を持ったのがきっかけでしたね。」
Q: 作ることに興味はもっていらしたのですか?
「作ることで言うと、
もともと籐を学んだことがあって
籐で何かを作ることはしていました。」
Q: 大分には行かれました?
「はい、大分の別府に行きました。
学校では竹を割ることから教えてくれるので、
2年間勉強して1年と少し地元に残り
京都に戻りました。」
Q: 食べられる竹と、
作るための竹との違いはあるのですか?
「竹細工に向いているのは真竹と言うのですが、
真竹も食べられますけど苦竹とも言われていて、
ちょっと苦いです。
普通に見られるのは孟宗竹が多く、
細工に使えないこともありませんが
竹が太すぎたり肉厚なので籤(ひご)にする作業が
大変なのです。それと節間が短いので
細工するにはあまり適してはいません。」
Q: コノムラさんが仕入れている竹は何処からか仕入られているのですか?
「産地によっての質の違いはあまりないのですが、1年分をまとめて九州から買っています。
でも、今年から輸送費が値上がっているので悩んでいます。(笑)」
Q: 竹と出会う前はどのようなことされたのですか?
「実は私も色んなことをしてきまして、隣の部屋にはピアノがあるのですが
一番最初についた職業は音楽教室の教師だったんです。(笑・取材スタッフも爆笑!)
次に大阪の劇団にわりと長く所属していました。(笑)
舞台ではキャストとして稽古に励み、また裏方役として公演のための準備作業などもしていました。
皆で一つの舞台を作る、今思えばそれも物づくりだったという感覚です。
本当はその道にいきたかったのですが、結局自己解放もうまくいかず食べてもいけずで、
最後に東京に出て行って完全に挫折をして京都に戻ってきました。(笑)」
Q: そうですか。竹細工はこうしてみると
力仕事あり繊細な緻密さも必要と思うのですが、
仕事として従事している男女の比率は
どうなのですか?
「それは圧倒的に男の方が多いですね。でも、
実際に竹製品を日常で使われるのは
女性の方が多いと思うので、色んな方とお話をし、
要望を取り入れながら作っています。
籠にしても本当は円の方が作り易いのですが、
敢えて四角や長方形にしてお勧めしたりもしています。
見て楽しめ、仕舞うにも便利なものを
女性目線で心がけ作っていきたいと思っています。」
Q: オブジェ的な工芸品作りはしないのですか?
「暮らしの中で使う製品と工芸品とでは、
つくりや技法が違い
工芸品はさらに繊細な作業なので難しいです。
作ってみたいとは思っていますが…」
Q: 竹で物を作っていて一番苦労されるとこは?
「訓練校に行き始めてすぐにバネ指になって指を2本
手術しているんですよ。
仕上がった作品からは、力仕事の工程があることを
イメージし辛いと思いますが、力仕事が多く、
今はちょっと肘にきていて余り力が入らない状態です。
本当は手を休めた方が良いのかもしれないですが
仕事が出来きないことは辛いですしね……
こんな時には誰か手伝ってくれる人がいると
良いなと思うのですけどね。(笑)」
Q: コノムラさんの夢はなんですか?
「手伝ってくださる方との出会いですかね~(笑)
それは半分冗談ですが、夢はお客様の声を聞きながらそれに応えられる納得できる作品を
一つでも多く残すことですね。永遠に作り続けたくても出来ないことですから、
この先の作れる時間や作れる数を考え、今ある時間を大切に過ごしたいですね。」
コノムラさんの自説によると、竹細工を続けている女性は
「変わり者」か「一人者」ということでしたが、
大量に同じものを作れない、一つ一つの作品を大切にされて
いる姿が素敵でした。
多少変わり者!?の傾向はあるとは思いますが(笑)
手づくり市でお会いしたら皆さんどしどし声をかけてみてください。
ここに書ききれない裏話をたくさん聞けるかも知れませんよ!!!
*竹細工のお手入れ方法*
カビが大敵なので濡れたときは、必ず水気を切って下さい。
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