松川彩夏さんと松川哲也さん親子が出展されている
「一架製作所」さんに今回はおじゃまします。
本日は、代表の彩夏さんがご都合悪くお話が聞けませんでしたが、哲也さんからは、
たくさんのお話が聞けました。加えて、手づくり市主催の催事に
「ペンモード」の屋号で共同出展されている三上良弘さんもおられ、
これからの新たな構想も伺えました。
Q: 屋号である『一架製作所』の由来を教えてください。
(松川さん)
「額縁やフレームは、一架、二架と数えるので、
そこで『一架』と言う言葉を選びました。
それと、額は四つのフレームをしっかりと繋いで作る
ものですから、仕事に携わる人達もこれと同じように、
繋がっていけたら良いなとの想いを込めつけました。」
Q: 一架製作所の作品は、ペンと小さな額縁の
アクセサリーとがあるのですが、担当者が
違うのですか?
(松川さん)
「はい。小さな額縁のアクセサリーは彩夏が作っています。
日本は外国と比べ写真や絵を飾る文化がなかった上に、
リーマンショック以後に絵が全く売れなくなりました。
その影響で絵を飾る人たちも、本当に限られるように
なりました。それなら、もっと身近な机の上に置ける物、
持ち運べる絵があっても良いと考え、アクセサリー型の
絵が出来ました。
彩夏が色々な作家さんとコラボしながら作っています。」
Q: 松川さんは、以前からペンを作られて
いたのですか?
(松川さん)
「いえ、違います。
会社勤めをしていた時に、そこの社長さんが
ガラスのペンを作られたのです。
そこにはガラスペンを使われた国内外を問わず
多くの方々からたくさんの礼状が届くのですよ。
それを見ていると、物を作って喜ばれる職業って
良いなと凄く憧れましたね。」
Q: もの作りが好きだったのですね。
(松川さん)
「好きでしたね。
当初、ペン作りは趣味程度だったのですが、
身体を壊したのをきっかけに、持てる時間の中
ネットで情報を集めながら独学で勉強を始めました。
ほとんどが手に当たる部分を木でつくりメタルや
革で作られているものは、まだありませんでした。
ペン自体の性能はあがっていたのですが、それを
選ぶ楽しみはあまりなかったように思います。」
Q: それでペンに興味が深まっていったのですか?
(松川さん)
「時代も合理化が推し進められ、以前は会社に入れば
配給されていたボールペンなども
個人購入する形になってきました。
すると、同じ買うならば自分に似合うペンを探す人たちが
増えたのです。ですから、個性豊かなペンを作ることで
人に喜んでもらえる仕事が出来ると思いました。」
Q: 今はどんな素材でつくられているのですか?
(松川さん)
「木は割れてしまいやすいので、
あまり好きではないのです。
メタルや新しい素材の砂・象牙・石・骨・革など
可能性は広がっています。
それに、ペンとセットになりそうな物も考案、
今はスマートフォンのカバーを作り、
ペンとセットにし、ギフトで使えるように
商品構成を作り展開させていこうと考えています。」
Q: ここにおられる三上さんとは、手づくり市の
催事などではご一緒されているのですよね。
(松川さん)
「はい、今年から一緒に『ペンモード』の屋号で
ジョイントしています。」
Q: お二人が出会っての感想をお聞かせ下さいますか?
(三上さん)
「僕は、自分の気に入った物だけを売ろうと思っていたの
ですが、松川さんと出会って、『作ったものはとにかく
お客さんの前にだして、お客さんの声を聞くことが先!』
とアドバイスされ実行しました。
すると、自分の自信のあったものが売れなかったり、
自信の無いものが売れたり。
これで価値観が変わりはじめ、
一度自分を疑ってみることに気付きましたね。」
(松川さん)
「僕は三上君のように職人さんの世界に入りませんでした。
僕の視点からですがこれからの時代は、
ネット上の既存商品を売るだけではなく、お客さんの
声を聞きながら、例えば靴ならば履きやすいように
調整や変化をつけ、お客さんの笑顔を得る商品作りを
することが大切な時代と思います。
大きな企業は縦社会、私たちは人が手を取り合える横社会。
しかも模索しながら作った物を、お客さんの声をいち早く
直に聞ける『手づくり市』という場があります。
市はお客さんに作ったものを見ていただいて、
意見をいただける場所です。
これを生かして、お客さんも私たちも笑顔でいられる
物づくりをしていきたいと思います。」
色々なコラボが始まり、より良い作品が誕生していく。
手づくり市は、人と人の出会いの場であるが故に、何時もわくわくできる
無限の可能性があるのですね。改めて確認させていただきました。
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