第51回目になるおじゃましますは「KARAKURI」さんです。
最初のイメージでは、代表である枡谷伸悟さんお一人で作られているのかな…と
思っていたのですが、工房に伺うと
新内彩子さん伊藤寛高さんのKARAKURI3人チームで創作されていました。
Q: KARAKURIさんは
桝谷さんお一人じゃなかったのですね。(笑)
(桝谷さん)
「最初は僕だけでしたが、今は3人で作っています。
3人とも大阪のバンタンデザイン研究所という
学校の同窓生なのです。(笑)」
Q: KARAKURIの屋号のいわれを聞かせてください。
(桝谷さん)
「からくり人形からなのです。
洋服の中に一つからくりがある、そして見つけた
子どもが笑顔になる!そんな洋服を作り出したい
との想いでつけた屋号なのです。」
Q: この仕事に興味をもたれたきっかけは何でした?
(桝谷さん)
「他の方とは違うと思いますが、
アパレル=ファミリー(家族)の図式が僕の中に
あるのです。
将来、奥さん、子どもと一緒に過ごす時間を
たくさん持ちたい。それでは何をしたら良いのかと
考えた時、家族で出来る仕事を一緒にするという事が
僕の中の答えでした。
奥さんと一緒に服を作り、お店を持ち、子どもが店番をする。
そしたら長く一緒に過ごす時間をもてると考えたのです、確かに甘さはあると思いますけどね。(笑)」
Q: 小さい頃から物作りは好きだったのですか?
(桝谷さん)
「大好きでしたね。」
Q: 学校を卒業されて
この仕事を直ぐに始められたのですか?
(桝谷さん)
「学校を卒業してからお金を貯めるために整備士になりました。
5年勤め、23歳からデザイン学校に入り、卒業して
半年間準備期間を経て始めました。
ですから人より遅いスタートなのです。」
Q: 整備士をされていたのですか。ご両親は
このお仕事に変わる事に対してどうでしたか?
(桝谷さん)
「反対されましたね。でも、
今、母親は手伝いに来てくれるようになりました。」
Q: 男性目線で作られる洋服は
どんなところに気を使われますか?
(桝谷さん)
「遊び心のある1点物で、素材をどう生かすかですね。」
Q: どんなこだわりを持って作られているのですか、
また特徴は?
(桝谷さん)
「家で洗濯の出来るもの!(笑)
デザイン上は、ポリエステルが入った方が
良くなる思いがあっても、少し意固地かなと思うほどに
天燃繊維100%を貫いています。(笑)
その代わりに生まれるしわをどうデザイン上で活かし
見せるかこだわり続けていたりもしています。」
Q: デザインを考える時に
何かヒントにされるものはあるのですか。
(桝谷さん)
「僕の場合は物を見てデザインが閃くより、
人を見て閃くデザインなのです。
どうしたらこの袖が着る人にとって、
痛くなく手が通せるものになり、且つ
喜べるものになるのか。精神的なデザイン、
喜怒哀楽主体のデザインなのですかね。」
Q: 手づくり市に出展されて
感じられたことは何かありますか?
(桝谷さん)
「出展して2年半になりますが、その前までは
接客の経験がなかったので、これがとても
難しかったです。
こられるお客様の層は広いので、
次第に自分なりにお客様を見て
接客する術を考えるようになり、
少しは上達したように思えます。
とても勉強になります。(笑)」
Q: 桝谷さんの息抜きは何ですか?
(桝谷さん)
「散歩ですね。
自然が大好きなので歩くことが好きなんです。」
Q: 夢は何ですか?
(桝谷さん)
「この手づくりの仕事を続けながら、
KARAKURIの工場アトリエを構えることですね。
お店を持って子どもが店番をしてくれる、
家族で仕事が出来ることが夢なのです。(笑)」
Q: 新内さん、伊藤さんから見た桝谷さんはどんな印象ですか?
(新内さん)
「芯があってブレがないと思っています。
こうと決めたらまっすぐ進む人ですね。」
(伊藤さん)
「仕事をきちんと教えてくれ、
リラックスして仕事をし易くしてくれますね。」
Q: 桝谷さんから見たお二人は?
(桝谷さん)
「新内さんも、伊藤さんも色々考えて仕事をされる方達です。
新内さんには縫製に集中してもらい
縫製を極めてもらいたいと思っています。
伊藤さんは仕事が丁寧で心で動いてくれる方なので仕事が僕もしやすいです。(笑)」
カラクリさんの物を創る精神が感じられた素敵なチームワークの工房でした。
そして、学校時代の桝谷さんの意外な一面も聞かせて頂いたのでお知らせします。
学生時代の成績は上からでなく下から数えた方が早かったそうです。
でも、その原因はさぼった訳ではなく、習った事を納得し、自分の物にするまでに
時間をかなり要したからだそうです。
しかし、少し周囲とは異なるこの異端児的な頭脳・感性が一度走りはじめると、独自の
デザイン力がフル回転!そしてカラクリを成長させていきました。
これからも桝谷さん独自の感性で創られていくKARAKURIさんから、
皆さんを笑顔にさせてくれるどんな作品が生まれてくるのかとても期待が膨らみます。