既製品にはないワンポイントをプラスしながら、ご自分のスタンスの中で良いものを作り、 使ってくれる方を想像しながら作る楽しみがあるという片山さん宅へおじゃまいたしました。
Q. 先ずは、屋号 ARU.について謂れを教えてください。
「9年前に京都に越してきたんです。
そして小学生だった子供の参観会に出たところ目の前の
お子さんの名前が「ある」で。めちゃくちゃいい名前だな。
と思ってそこからです(笑)
深い意味合いはないんですけど、気に入っています。」
Q. 片山さんがバックやお洋服を作られるようになった、
経緯を教えてください?
「母が洋裁に通っていて、季節毎の行事などのお出かけ服を
私と姉に作ってくれていたので、そこから影響を受けたのだと
思います。自分で作るのも好きだったのというのもありますが、
自分の子供達にお洋服を作ってあげたい。と思ったのが
きっかけです。」
Q.どちらかに習いに行かれたのですか?
「習いには行ってはいないです。
本を読んでそこから学び、少しずつ自分のもの
にしていきました。最初はネット販売だけでし
たが、こちら(京都)へ来て近所の上賀茂神社
で手づくり市があると知り、出展し始めました。
販売できる楽しさを知り、色々調べていくうち
に百万遍さんにも思い切って出展しようと思い、
今に至っています。」
Q.洋服に対するこだわりとかありますか?
「そうですね。かっちり作り始めちゃうと既製品になってしまいますし、基本シンプルが好きなので、シンプル
な中に少し可愛さをプラスさせるという風に工夫を凝らしています。
特に子供は、一度気に入ったら毎日着て行きたくなるので、着心地の良い生地で、洗濯にも耐える頑丈な
生地選びと縫製には気をつけています。」
Q.私が見る片山さんのバックは、他の方々とは形、素材の選び方が違うように受けとめているのですが、
バックに対してのこだわりを教えてください。
「普段使いで、長く使えるものをと思っています。洋服を作ることから入っているので、布への愛着があるのと、
柔らかいふんわりした雰囲気が好きなので、革よりも布を使うことを今は主流にしています。基本生地は帆布を
使っています。柔らかい、色目も優しいのを選んでいます。
季節によってウールを取り入れたり、夏にはリネンなどを使っています。
形に関しては、丸みを帯びたものが多いです。自分も好きなので。」
Q.新しい作品を作りだす事の苦労と楽しみを教えてください。
「新しいものを作るのには結構苦労しますね。バッグは最初、ボ
ディバッグから始めて、今のショルダーバッグに行き着くまで2
〜3年かかったと思います。
どうしてもバックの形はある程度きまっていますから。そこから
シンプルながら少し個性を出したいと思って作っています。
ショルダーバックは大きすぎず小さすぎず、ペットボトルや財
布など必要最低限のモノだけ入れてお出掛けしたい時に使えるバ
ックで、デザインもひと工夫しました。今では、男女問わず人気
のバックです。
ものづくりは好きです。一枚の生地から色んな形が生み出される
ことに今もワクワクします。
手づくり市で出展するようになって、自分の好きな気持ちだけ
でなく、モノが溢れてる世の中で、わざわざ手づくり市に足を運
んで下さるお客さまの為にも良いモノづくりをしていきたいと思
うようになりました。
手づくり市のお客さまの存在が今のARU.の原動力になって
います。
感謝の気持ちを忘れず、これからのARU.らしいモノづくりをし
て、お客さまに喜んでもらえるように頑張っていきたいです。」
Q.ご家族はどう思っていらっしゃいますか?
「始めた頃は、仕入れの方が売り上げを上回ってい
るんじゃないか?と口には出さないですが心配の様
子でしたが、現在は、数をたくさん作っているのを
見ているので、安心しているとは思います。市に参
加するときは、朝から準備しているのと夜遅く作業
しているのを見て、頑張っているな。と思っていて
くれているようです。」
Q.これからの目標があれば教えて下さい。
「手づくり市という場があるので、自分の活動ができていると思っています。有難く、できるだけ長く参加し続
けて、来てくださるお客さんの為に、そして自分自身のためにコツコツと頑張っていきたいです。」
一度ご購入されたお客さまが気に入って違う
サイズ(バッグ)をお求めになったり、
お子様が大きくなって、下のお子様用にと子
供服を見に来てくださったりとリピーターが
多いのも頷ける片山さんの作品を作る楽しさ
と、作品が届く相手への気持ちが伝わる今回
のインタビューでした。